道路使用許可と道路占用許可はそれぞれ別の法律に基づく許可制度であり、目的や申請先が異なります。
道路使用許可とは
道路使用許可とは、「道路交通法」に基づく手続きで、道路を一時的に使用する際に必要な許可です。例えば、工事やイベントのために道路を使用する場合が該当します。道路使用許可は、行為を行う場所を管轄する「警察署」に申請し、警察署長の許可を受ける必要があります。
道路交通法第77条第1項
(道路の使用の許可)
第七十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、それぞれ当該各号に掲げる行為について当該行為に係る場所を管轄する警察署長(以下この節において「所轄警察署長」という。)の許可(当該行為に係る場所が同一の公安委員会の管理に属する二以上の警察署長の管轄にわたるときは、そのいずれかの所轄警察署長の許可(以下この節において同じ。)を受けなければならない。
一 道路において工事若しくは作業をしようとする者又は当該工事若しくは作業の請負人
二 道路に石碑、銅像、広告板、アーチその他これらに類する工作物を設けようとする者
三 場所を移動しないで、道路に露店、屋台店その他これらに類する店を出そうとする者
四 前各号に掲げるもののほか、道路において祭礼行事をし、又はロケーシヨンをする等一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態若しくは方法により道路を使用する行為又は道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような行為で、公安委員会が、その土地の道路又は交通の状況により、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要と認めて定めたものをしようとする者
道路占用許可とは
道路占用許可とは、「道路法」に基づく手続きで、道路上に看板や工事用足場などの特定の物を継続的に設置する場合に必要な許可です。道路に一定の工作物、物件又は施設を設け、道路の空間を独占的・継続的に使用することを「占用」といい、道路を占用しようとする者は、あらかじめ道路管理者の許可を受ける必要があります。道路を占用することができる物件等は、道路法第32条第1項に規定されています。
道路法第32条第1項
(道路の占用の許可)
第三十二条 道路に次の各号のいずれかに掲げる工作物、物件又は施設を設け、継続して道路を使用しようとする場合においては、道路管理者の許可を受けなければならない。
一 電柱、電線、変圧塔、郵便差出箱、公衆電話所、広告塔その他これらに類する工作物
二 水管、下水道管、ガス管その他これらに類する物件
三 鉄道、軌道、自動運行補助施設その他これらに類する施設
四 歩廊、雪よけその他これらに類する施設
五 地下街、地下室、通路、浄化槽その他これらに類する施設
六 露店、商品置場その他これらに類する施設
七 前各号に掲げるもののほか、道路の構造又は交通に支障を及ぼすおそれのある工作物、物件又は施設で政令で定めるもの
項目 | 道路使用許可 | 道路占用許可 |
---|---|---|
根拠法令 | 道路交通法第77条 | 道路法第32条 |
目的 | 一時的な使用を対象とし、交通の妨害を防ぐこと | 継続的な占有を対象とし、特定の物件を設置すること |
申請先 | 警察署長 | 道路管理者 |
対象行為の例 | 工事やイベントで道路を一時的に使用 | 看板や工事用足場の設置 |
まとめ
道路使用許可と道路占用許可の違いを理解し、計画の中止や変更を避けるために、適切な手続きを進めることが重要です。