農地法3条・4条・5条の違いは?│権利移動から転用までわかりやすく解説

畑

農地の売買や転用を検討する際に、必ず確認が必要となる農地法。特に重要な3条、4条、5条について、それぞれの違いと適用範囲を詳しく解説します。初めて農地の取引や転用を考える方にも分かりやすく説明します。

農地法の基本的な役割

農地法は、食料の安定供給を確保するため、農地の適切な利用と保全を目的とした法律です。特に3条、4条、5条は、農地に関する重要な取引や用途変更を規制する基本となる条文です。

農地法第3条:農地の権利移動に関する規定

農地を売買したり賃貸借する場合に適用される条文です。この条文の特徴は、農地としての利用が継続されることを前提としている点です。例えば、農家間での農地の売買や、新規就農者への農地貸付けなどが該当します。

農地法第4条:所有者自身による農地転用

農地所有者が自らの農地を宅地や駐車場などに転用する場合に適用されます。この場合、権利移動は発生せず、純粋に土地の用途変更のみを行うケースとなります。

農地法第5条:転用を伴う権利移動

 4条による転用と3条による権利移動同時に行われるケースに適用されます。典型的な例として、農地を購入して宅地に転用する場合や、農地を借りて資材置き場として利用する場合などが挙げられます。

許可権者

  • 3条申請:農業委員会
  • 4条・5条申請:都道府県知事または指定市町村長
項目3条4条5条
適用範囲農地の権利移動(売買、賃貸借など)所有者が農地を他の用途に転用する場合農地の転用と同時に権利移動が行われる場合
許可が必要な主体農地の所有者および取得者農地の所有者農地の所有者および取得者
許可権者農業委員会都道府県知事(または市町村長)都道府県知事(または市町村長)

必要書類と審査のポイント

それぞれの申請には、詳細な計画書や関係書類の提出が求められます。特に転用を伴う4条・5条申請では、転用の必要性や周辺農地への影響などが慎重に審査されます。

審査のポイント

  • 転用の必要性・相当性
  • 周辺農地への影響
  • 転用計画の確実性
  • 資金計画の妥当性

農地法の3条、4条、5条は、それぞれ以下のように整理できます。

  • 3条:純粋な権利移動(農地として利用継続)
  • 4条:純粋な転用(所有者自身による)
  • 5条:権利移動と転用の同時実施

これらの手続きを適切に進めることで、農地の利用や権利移動をスムーズに行うことができます。

農地に関する手続きでお困りごとがございましたら、当事務所にお気軽にお問い合わせください。