土地改良区からの地区除外とは|除外申請手続きの流れと必要書類を解説

農業用水路

土地改良区からの地区除外は、農地転用に関連する手続きの一つです。土地改良区によって手続き方法が異なるほか、農地転用許可申請との関連性が深いため、初めての方には複雑に感じられるかもしれません。

手続きが遅れるとその後の農地転用や事業計画に影響を及ぼす可能性があるため、早めに手続きの詳細を確認し、十分な準備が必要です。本記事では、地区除外の基本的な考え方、手続きの流れ、必要書類を分かりやすく解説します。

地区除外とは、土地改良区の地区内にある農地「受益地」を、宅地などに転用する際に、地区から除外する手続きのことです。

ほとんどの場合、除外には決済金(清算金)の支払いが必要となります。

土地改良区とは、農業生産のために必要な農地、農業用水路、排水路などの整備や維持管理を行っている土地改良法に基づき設立された公法人で、農業者(組合員)が中心となって運営されています。

農地を整備する土地改良事業や土地改良区が管理する施設の維持管理には多くの費用がかかるため、組合員は「賦課金」を支払っています。

農地を別の目的に転用する際は、残りの農地を所有する組合員に過剰な負担が生じないよう、転用した土地の面積に応じた「決済金」を支払うことになっています。

事前確認

事業計画地が土地改良区の受益地に該当するか、土地改良区の事務局に確認します。
除外が可能な場合は、手続きの詳細、決済金の額と支払いのタイミング、事務手数料などの費用を確認します。

STEP
1

必要書類の準備

必要書類は土地改良区によって異なりますが、主な書類は次のとおりです

  • 農地転用等の通知及び意見書の交付願
  • 地区除外申請書
  • 誓約書(確約書)
  • 申請地の位置図
  • 公図
  • 登記事項証明書
  • 利用計画図
  • 地積測量図(土地を分筆して転用する場合)
STEP
2

書類の提出

準備した書類を土地改良区に提出し、書類チェックと現地確認を受けます。

STEP
3

意見書の受取

書類に問題がなければ、「意見書」が交付されます。交付までの期間は土地改良区により異なります。

STEP
4

農地転用許可申請

農業委員会への農地転用許可申請に土地改良区の「意見書」を添付します。

STEP
5
建築計画

地区除外手続きは、土地改良区によって申請方法や必要書類が異なるため、早めに詳細を確認し、十分な準備が必要です。
事前相談により、手続きの遅れや書類不足を防ぎ、スムーズに進めることができます。

当事務所では、地区除外から農地転用からまでの一連の手続きの代行を承っておりますので、手続きに関してお困りごとがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

土地改良法第42条第2項

(権利義務の承継及び決済

第四十二条 土地改良区の組合員が組合員たる資格に係る権利の目的たる土地の全部又は一部についてその資格を喪失した場合には、その者がその土地の全部又は一部について有するその土地改良区の事業に関する権利義務は、その土地の全部若しくは一部についての権利の承継又は第三条に規定する資格の交替によつてその土地の全部又は一部について組合員たる資格を取得した者に移転する。

2 土地改良区の組合員が、組合員たる資格に係る権利の目的たる土地の全部又は一部についてその資格を喪失した場合において、前項の承継又は第三条に規定する資格の交替がないときは、その者及び土地改良区は、その土地の全部又は一部につきその者の有するその土地改良区の事業に関する権利義務について必要な決済をしなければならない。